july,july,julyのlungs_okさんから回ってきたBook Batonです。
やってみます。
1.持っている本の冊数
7~800冊ぐらいです。正確な数はわかりません。
2.今読みかけの本 or 読もうと思っている本(既読、未読問わず)
■森永スポーツ&フィットネスリサーチセンター編
『忙しい人のための簡単にできる10分間トレーニングがわかる!』
(森永製菓株式会社健康事業部)
長編小説を書くには持久力が不可欠であると痛感し、ちょっと前から運動をはじめてます。
本格的なプログラムづくりの本も並んでいたけれど敷居が高くて、
あるいはカジュアルにと「モテるための身体づくり」みたいな本を手に取ると
写真が多すぎてまぶしくなってしまい、結局おだやかでお手軽な入門書を。
ストレッチは癖になります。
3.最後に買った本
■保坂和志『小説の自由』(新潮社)
小説について書かれている本にはよく、小説家になりたかったら小説作法なんか読むな、
ヘボになるみたいなことが書かれていて、そのときは、よし、そっか、もう読まないぞ、
なんて思うのですが、いつの間にかそれなりに手が伸びています。
でも、こうした本には書き手の小説に対するなみなみならぬ思い入れを感じられることがあり、
この本にもそんな期待をしています。
4.特別な思い入れのある本、心に残っている本5冊(まで)
■『暮らしの知恵・アイデア大百科500』(タイトル不正確、出版社不明)
小学校低学年のころ団地の集会所に図書室ができて、
そこでなんとなく借りてきたら母がひどくほめてくれて、本っていいなと思いました。
一つだけ、知恵を覚えています。
近くに水飲み場がない状況で、喉の渇きをうるおす方法。
1、ちいさな、できるだけ丸い石を拾いましょう。
2、石を洋服の端などで拭いて、きれいにしてください。
3、石を口のなかに入れてなめれば唾液が出て、乾きがおさまるでしょう。
■安房直子『魔法をかけられた舌』(岩崎書店・フォア文庫)
改めてよさを発見しつつある童話作家の作品です。
昨年出た作品集の71編中でも、いまのところ「青い花」がベスト。
こないだ、この作品からインスパイアを受けた短編を書きました。
「海の色ににているわ」
「うん、ぼくもそう思ったよ」
「このかさをさしていると、まるで青い屋根の家の中にいるみたい」
「ああ、ぼくもそう思った!」(「青い花」)
■イーサン・ケイニン『宮殿泥棒』(文春文庫)
三年以内に関心をもって読むようになったなかで、印象深い作家の一人。
新作がなかなか翻訳されないのですが、柴田元幸の解説によれば、
この短編集が現時点での最良の出来だとのこと。
作品に描かれる兄弟関係は、中上健次や色川武大の作品をちょっと思い出します。
「セルヴス」とクライヴは言って、にっこり笑った。「挨拶の文句だ」。
クライヴは片手を僕の肩に置いた。「セルヴス」ともう一度クライヴは言った。
「セルヴス」
「気分はどうだ、弟?」
「すごくいい」
「俺たちの辞書、見つけたんだろ?」
「ううん。探しもしなかったよ」(「バートルシャーグとセレレム」)
■J・アーヴィング『ホテル・ニューハンプシャー』(新潮文庫)
J・アーヴィングがディケンズについて書いた「小説の神様」(『ピギー・スニードを救う話』所収)
を読んで、長編を書きたい思いが高まっています。この『ホテル・・・・・・』のような。
恋もまたソローと同じように沈むことなく漂い続ける。
そしてそれが正しいなら、恋はたぶん別の点でもソローに似ているであろう。
すこし前にぼくが留守のあいだ甥が部屋に遊びに来ていたようで本が数冊散乱していて、
そのなかに『ピギー・スニードを救う話』も転がっていました。
すぐそばに落書きを描いたコピー用紙が数枚。
その一枚に本の絵が描いてあり、表紙に
「ヨニー・スイートをさがせ」とありました。
そういうタイトルもいいなあと思い、いまもこの本にはさんであります。
■中上健次・村上龍『ジャズと爆弾』(角川文庫)
中上健次は初期の短編に思い入れがあるのですが、対談を読むのも好きです。
『限りなく透明に近いブルー』でデビューして間もない村上龍のトンガった感じと、
先行作家としてそれに合わせようとしながらもあまりに文学的な中上健次とのズレが、
やんちゃに言葉を重ねるうち徐々に溶け合っていくさまがすばらしい。
そういえば、中上健次は1985年11月に朝日ジャーナル誌上で
J・アーヴィングとも対談をしています(「小説に今こそ物語(ナラティブ)の復権を」)。
そのなかで中上健次は、日本ではJ・アーヴィングは「洒落た都会派」のイメージが強い、
なぜなら紹介した人たちがそういう人間だからだ、と述べたうえで自分の見方を語ります。
中上:アービングさんの小説は過剰な物語というか、
過剰な思い入れとかシンパシーが詰まっていて、体温がとても高いと思います。
85年といえば、J・アーヴィングの邦訳はサンリオの『ガープの世界』のみですが、
アメリカでは『サイダーハウス・ルール』が出版され、
日本では村上春樹が『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を発表しています。
中上健次はすでに大作『地の果て 至上の時』(83年)を書き終えていました。
対談自体はさほど盛り上がっていないのですが、
20年経ったいま、この時期のことを思いめぐらす手がかりになり、ちょっとワクワクします。
5.次にまわす人5人まで
では、
a fragment of journeyのakno3さん、よろしくお願いします。