桜
2005年 04月 08日
桜が咲きましたね。
安房直子「季節をめぐる話」(偕成社、2004年)所収の「緑のスキップ」を再読。
桜林に番兵のみみずくがいる。満開に咲いた桜の下で花かげ、という桜の精を見つけて以来、桜が散ってしまわぬよう、毎晩大きな目を光らせている。おかげで林の桜は長いあいだ美しく咲き続けているのだが、一雨降ったのち、みみずくがふと眠くなってうとうとしかけたとき、どこからか、トット、トット、と奇妙な足音が聴こえてくる。初夏を告げる緑のスキップが、桜林に侵入してきたのだ。ただごとじゃない、なんとしても眠るまいときつねにとびきり苦いコーヒーをつくってもらい、見張りを続けるみみずくだが――。
昨年、安房直子の作品がまとめて安房直子コレクションというかたちで復刊されて、読めるようになりました。子どものころ好きな作品集があって、くりかえし読んでいたのでうれしい。無駄のない文章で、でもどの作品にも遊び心、適度な意外性があって、するすると引き込まれる。今度、甥と姪に教えよう。
安房直子「季節をめぐる話」(偕成社、2004年)所収の「緑のスキップ」を再読。
桜林に番兵のみみずくがいる。満開に咲いた桜の下で花かげ、という桜の精を見つけて以来、桜が散ってしまわぬよう、毎晩大きな目を光らせている。おかげで林の桜は長いあいだ美しく咲き続けているのだが、一雨降ったのち、みみずくがふと眠くなってうとうとしかけたとき、どこからか、トット、トット、と奇妙な足音が聴こえてくる。初夏を告げる緑のスキップが、桜林に侵入してきたのだ。ただごとじゃない、なんとしても眠るまいときつねにとびきり苦いコーヒーをつくってもらい、見張りを続けるみみずくだが――。
昨年、安房直子の作品がまとめて安房直子コレクションというかたちで復刊されて、読めるようになりました。子どものころ好きな作品集があって、くりかえし読んでいたのでうれしい。無駄のない文章で、でもどの作品にも遊び心、適度な意外性があって、するすると引き込まれる。今度、甥と姪に教えよう。
by pacific_project
| 2005-04-08 00:57
| 読書