航海日誌


by pacific_project
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カテゴリ:アート( 3 )

本作り

 数ヵ月ブログを更新しないで何をしていたかというと、ある本作りに携わっていました。

 こんな本です。↓
 「トリエンナーレからシティアートへ ~市民が見た横浜トリエンナーレ2005」

 国際展でありながら、たくさんの人々がさまざまなスタンスでアーティストや作品にかかわりをもてる場となった横浜トリエンナーレ2005を、市民の側から多角的に捉えたドキュメント。発行は横浜市芸術文化振興財団、企画・制作は横浜シティアートネットワーク市民広報「はまことり」で、定価1000円。
 トリエンナーレの像を結ぶためのひとつの材料となること、次のトリエンナーレや広くまちやアートへかかわりをもつうえでの一助になるといいと思います。
 取り扱い書店がいくつか決定していて、以下の書店や画廊などでは、GW中に店頭に並ぶ予定です。よろしくお願いします。

<東京>
ナディッフ

<横浜>
ZAIM, トリエンナーレステーション(日本大通り)
有隣堂(伊勢佐木町本店、ランドマーク店、横浜西口ルミネ店)
Bank ART 1929
ギャルリーパリ
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by pacific_project | 2006-04-27 01:08 | アート

タピエス

こないだ、品川の原美術館でアントニ・タピエス展を観てきた。
初めて日本で紹介される作品も多いのだそう。画に茶道具だとか布だとか、ものがくっついているのだが、どうしてこの画家はこれらのものを自分で描くことをしないでくっつけたのか、というのが気になった。80を超えているこのアルバニア人の老画家は、はじめから茶漉しをくっつける気で用意しておいたのか、それとも描いている途中でどうしてもそうしたくなってうろうろ探してくっつけたのか。観てきたうえギャラリートークも聞いたという友人の画家に、時代の背景やタピエスのやり方についてすこし教わる。が、自分の惹かれる感じに近づいたとは思えなくて、ああでもないこうでもないと話しこむうち、それまでなんの脈絡もなかったものがするするとつながりだしていく感じがあった。そのうち画家がぽつりと、なんか、大きな画を描きたくなった、と言ったのを聞き、ああ、それだと思う。期間中、また観にいこう。
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by pacific_project | 2005-04-29 01:39 | アート

秘密

東京都現代美術館で開催されている「MOTアニュアル2005 愛と孤独、そして笑い」に行ってきた。イチハラヒロコ、岡田裕子、澤田知子など10人の日本の女性作家を一同に集めた企画展。見たなかでは嶋田美子の「家族の秘密」という参加型のインスタレーション作品が強く印象に残った。

部屋に入ると、引き出しのいくつもついた箪笥が置いてある。引き出しの中には、写真や小物とともに言葉が入っている。部屋の隅にカーテンで仕切られたスペースがあり、来場者はそこで「家族の秘密」を書いて、箱に入れられるようになっている。週に一度、箱に投函された「秘密」を作者が個人名や固有名詞を取り除いたうえでタイプ打ちして、引き出しにしまっているという。つまり引き出しの中の言葉は、参加者の「他人には言えない、家族の秘密」で構成されている。日本語だけでなく、英語で書かれたものもある。前に一度来ているのだろう、自分たちの書いた秘密が引き出しに入っているかどうか確かめに来ている女性二人組を見かけた。

祖父が戦争で人を殺した、父親が自殺をしたなど、多くても数行で終わる名前のない短文の中に書き手との関係性、行き場のない想いがひっそりと浮かび上がってくる。ほんとうのことを耳のそばで囁かれているような生々しさに、いくつもある引き出しを途中で止めにして部屋を出ていくことがどうしてもできない。結局すべての引き出しを開けて、中身をすっかり読んでしまうことになった。他の来場者も概ね同じ反応であるようだった。そうして充分に他人の秘密を知った後で、作者の狙っているだろうことにようやく気付いて、愕然とした。秘密を共有してしまった私たちは、これからはそれらを自分の胸にしまっておかずにはいられなくなっているのだ。

また、イケムラレイコの絵も印象的だった。暗闇の中に横臥した人がうっすらぼんやりと、いる。じっくりと見ているうちに徐々に惹きつけられ、いつの間にかどっぷりと引きずり込まれていた。この作家は特に、別の作品も見てみたいと感じた。
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by pacific_project | 2005-02-20 23:31 | アート