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航海日誌


by pacific_project
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『カナリア』を観た

アミューズCQNで、塩田明彦『カナリア』を観た。ここの映画館に入るのは初めて。

テロを引き起こしたカルト教団「ニルヴァーナ」信者の少年・岩瀬光一は、施設から保護された関西の児童相談所を走って抜け出した。自分の引き取りを拒否した祖父が連れ帰った妹を取り戻しに、また、教団に深く関わり行方不明になっている母を探し、三人で暮らすために。偶然危ない目にあうところを助けたきっかけから同行することになった少女・由希とともに東京へ向かう光一。金が尽きる困難、険悪なムードの女二人との遭遇、かつて施設で厳格な教育係だった元信者・伊沢との再会、そしてテレビで知らされる母を含む教団幹部の集団自殺。さまざまな出来事を経て、光一(と由希)は自分を拒絶した祖父の前に立つ――。

10年前の地下鉄サリン事件について言いたいことを言ったという作品だろう。一貫してテンションが高い。由希役の新人、谷村美月が体当たりでがんばっているのが好印象。その由希に折り紙で飛ぶ鳥を折ってやる盲目の老婆役の井上雪子、子ども二人とともにカルト信仰の道を選んだ光一の母・道子演ずる甲田美也子、家庭をもちながらレズビアンの女性と付き合いを続けてきたバイセクシャル・咲樹役のりょうと、全体的に、女性陣の演技が際立っているように感じた。

観はじめて十分ぐらいで、昔読んだ村上龍の「コインロッカーベイビーズ」(講談社、1980年)をなんとなく思い出して、どうなることだろうと目を見張ったが、中盤からラストにかけてまったくちがう展開となった。
by pacific_project | 2005-03-27 23:59 | 映画